同機構が運営している奨学金はすべて貸与型で、高等教育機関への入学時から卒業時までを期間とし、入学または進学後に奨学生本人名義の口座に毎月所定の金額が振り込まれます。
在学している学校が募集・案内・相談から書類の受付、選考のための推薦状の作成、本人への通知といった事務手続きを代行します。
ただし、進学を希望する高校生の場合は「予約申込み」の形式になり、進学希望者本人がインターネットを通じて「スカラネット」と呼ばれる同機構のホームページにアクセスして必要な手続き作業を行います。
その流れは以下のようになります。
高校3年生向け「予約採用」の募集・申込みから採用・返還までの手続きの流れ
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申込み・書類提出(進学希望者本人⇒スカラネット、学校) |
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推薦(学校⇒日本学生支援機構) |
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日本学生支援機構での選考 |
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採用候補者決定通知の交付(日本学生支援機構⇒学校⇒進学希望者本人) |
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合格・進学届提出(合格者⇒学校⇒日本学生支援機構) |
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採用の決定・通知(日本学生支援機構⇒学校⇒進学希望者本人) |
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返還誓約書の提出(進学希望者本人⇒学校⇒日本学生支援機構) |
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在学期間中毎月学生本人の口座に振込 |
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卒業(貸与終了) |
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返還内容・方法の最終確認後、返還開始 |
日本学生支援機構の奨学金の最大の特徴は進学希望の高校卒業予定者およびそれに相当する生徒として認定された若者たちに向けて「予約採用」という独特の申込方法を設けていることにあります。
これは高校3年生の時点から卒業後2年間(つまり、2浪受験までが許容範囲)の間なら、在籍しているか、または、在籍していた高校を通じた手続処理と進学希望者本人によるスカラネットでの申込みによって、進学後の奨学金を予約する方法です。
早い話が、進路が決まらない段階でも奨学金の予約ができ、その上、採用が決定した後でも受験結果によって予約内容の変更や取消しも許されています。
たとえば、本命の国立大学に落ちてしまい、私立大学に進学したときでも、許される範囲で毎月の貸与額を引き上げることができるので、進学希望者にとっては大変都合よくできている奨学資金です。
申し込みに当たっては、次の点に注意が必要になります。
◆種 類
同機構の奨学金は次の表のとおり、第1種と第2種の2つで、さらに、どちらの場合でも付加できる入学時のオプションの「入学時特別貸与奨学金」があります。
奨学金の種類 |
貸与方法 |
貸与期間 |
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第一種奨学金 | 無利子 | 原則として毎月1回振り込まれます。 | 入学年度の4月から卒業するまで |
第二種奨学金 | 有利子*1 | 原則として毎月1回振り込まれます。 | 入学年度の4月から卒業するまで |
入学時特別増額貸与奨学金*2 | 有利子*1 | 上記の奨学金の初回振込み時に一括して振り込まれます(入学前の振込みはありません)。 | 入学年度の最初の振込み時 |
*1 在学中は無利子 *2 入学時特別増額貸与奨学金のみの申込みはできません。
◆申込方法
同機構の奨学金申込みは、高等教育機関への入学前および高等教育機関に入学後でも、所定の募集期間ならいつでも可能です。
高等教育機関に在学している場合は、当該教育機関が申込先となり、「在学申込み」を行います。
高校生の進学希望者の場合は、「予約申込み」を利用します。
申込みでは、同機構の発行するユーザIDとパスワードを用いて、上述したように、インターネット上の同機構の「スカラネット」にアクセスして進学希望者本人が行います。
とはいっても、後で説明するように、世帯の収入や所得など、扶養を受けている高校生にはわからない項目(家計基準)があり、案内書にわざわざ下書き用のシートが添付されていて、それに書き込んだものを参照しながら、パソコン画面で申込み書を作成するようになっています。
要するに、親子共同でこの下書きを作成していく前段が欠かせません。
自宅にインターネット通信環境がない、パソコンがないという世帯でも、心配は要りません。
下書きシートで必要項目を埋め込んでおけば、学校で通信環境の整っているパソコンを利用して入力することができます。
そのほうが、わからないことや、添付書類の不備などがあったときでも、即座に教えてもらえて便利です。
何しろ学校が案内や手続き書類の受付窓口になっているのですから。
◆申込資格
①募集当該年度に高校または中高一貫教育校の後期課程を卒業予定で、進学を希望する生徒または既卒生(2浪まで)
②高等学校卒業認定試験・大学入学資格検定の合格者
③中高一貫教育校の後期課程、特別支援学校の高等部および専修学校の高等課程の卒業予定者
これらの進学希望者は予約申込みが可能で、高等教育機関への入学前に採用になると「予約採用」になります。
④大学院・大学・短大・専門学校(専修学校専門課程)の在学生(こちらの場合は採用されると「在学採用」になります)。
ただし、無利子の第一種の場合は、申込時に在籍している学校での成績の最低基準が設定されています。
また、高校在学中に申し込める「予約採用」の場合も、高校在学期間の「学力基準」を満たしている必要があります。
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