厳しい基準に適合すれば併用貸与も可能
子持ちの中年サラリーマンの皆さんは、家やクルマのローン、そしてお子さんの教育費とおカネが右から左に飛んでいき、財布の中は木枯らしが吹いていることでしょう。
お弁当持参でない方は昼時、安いお店を探し、喫茶店には行かずに缶コーヒーで済まし、何とかタバコオ代をひねり出す(もともと喫煙しない方、禁煙した方には当てはまりませんが・・・)。
最近は結婚しない(できない???)方も多いようですが、昭和の時代はこうしたお父さん族を「千円亭主」と呼んでいました。
そう、朝、家を出て夜に戻ってくるまでの小遣いが一日千円ポッキリだからです。
今を去ること20数年昔の話ですが、勉学中の学生さんにしても状況はその当時と似たようなものでしょう。
単身上京して勉学に励むとなると、そこに居住費用も加わるわけで、正直なところ奨学金だけではとても足りない。
時間に余裕のある学生の特権を生かして、アルバイトに励み、不足する分を補填するのは当たり前の時代。
家庭の経済事情が厳しい方は、ともすると勉学の時間にまでバイトが食い込んできて、本末転倒になることも想定できます。そんな学生さんを視野に入れたのが、日本学生支援機構の「併用貸与」です。
申込みのところで簡単に説明しましたが、第1種と第2種の両方の貸与を同時受けることを指します。
成績基準は第1種と変わりませんが、次のように、家計基準がグッと厳しくなります。
併用貸与の世帯の所得基準(単位:万円)
単身学生生活が余儀ない場合で、成績基準および所得基準に適合する場合は、申込んでみる価値はあります。
給与所得以外の世帯の場合は特に所得基準が厳しくなりますが、給与所得世帯の場合は、民間の全国平均年間所得のはるか上に設定されています。
ただし、貸与を受ける総額がかなり大きくなり、返済期の返済額もその分高くなり、返済期間も長くなりますから、就職先も安定・高収入なところをめざす必要があります。
私立の医学系なら増額も可能 私立大学の医学・歯学系学部、薬学部などには目が丸くなるような入学費や学費がめずらしくありません。
文部科学省の『家庭の教育費負担の実態調査』の結果からも、私立大学の医学・歯学部の場合、平均で入学時の納入費用が5百万円に迫っています。
日本学生支援機構の奨学金では、どうやっても間に合いそうもありません。
国公立の場合は、入学金・学費は文化系・理科系とも共通なので、そうした心配はありませんが、最短でも卒業までに6年かかる上、教科書や参考書類も高価なものが多く、その上、アルバイト収入はまず期待できないほどミッチリとカリキュラムが組まれていますから、学資以外の面で奨学金に頼りたくなります。
私立大学の医学部・歯学部では入学時の納入費が平均でも800万円~900万円にも達するので、同機構の最高貸与額を申込んでも、カバーできるのはほんの一部であまり役立つとは思えませんが、無理をして調達できた場合に生活費用にそのシワ寄せが来ますから、その補填という意味では役にたちます。
そこで同機構ではこれらの学科・課程系統に進学した貸与者で、月額最高の12万円を選択した場合に限って、月々一定の増額を認めています。
私立大学医学・歯学課程は4万円、薬学・獣医学課程は2万円の増額が認められます。
もちろん、増額手続きは入学または進学後に行うことになります。
ただし、返済金額がかなりの額に達するので、脱落や途中下車してしまうと返済が大変になることをお忘れなく !
コメントを残す